明治~昭和初期の銅像彫塑の権威であった渡邊長男(おさお) は、明治7年(1874)に、元岡藩士の家系で上井田村(豊後大野市朝地町)村長を務めた渡邊要蔵の長男(ちょうなん)として生まれました。明治32年(1899)に東京美術学校彫刻科を卒業し、彫塑作品の制作に取り組みます。 「明治天皇御尊像」や「廣瀬中佐と杉野兵曹長像」、「菅原道真公像」など数多くの人物彫刻を制作しました。東京日本橋の欄干の「麒麟像」と「獅子像」も有名です。竹田市内にも、「子育観音像」「廣瀬中佐像」「田能村竹田像」等があります。長男に影響され、実弟の朝倉文夫も彫刻を志しました。
本展では、生誕150年を記念した回顧展として、渡邊家に遺された渡邊長男のブロンズ作品や資料を中心に、彫塑に新しい境地(彫塑生面 ちょうそせいめん)を切り開いていった渡邊長男の人生や作品を紹介します。皆さまのご来館をお待ちしています。