竹田市をはじめ大分県の大地には、阿蘇山をはじめとする火山活動等により、多彩な地下資源がありました。江戸時代には、各藩が地下資源の採掘に力を入れ、多くの鉱山が開発されました。鉱山の中で、江戸時代を通して比較的安定した経営が続いたのが、岡藩の開発による「尾平山」(豊後大野市緒方町)と「木浦山」(佐伯市宇目町)でした。この二大鉱山では、銀、錫、銅、鉛などが産出されていました。特に「尾平山」は種類が豊富で、「鉱山の博物館」といわれています。
また、寛永13年(1635)、岡藩は江戸幕府から「寛永通宝」の鋳造を命じられ、城下町(古町)に銭座を設けて、4年間にわたって「寛永通宝」を鋳造しました。この背景には、「尾平山」と「木浦山」から錫や銅が採掘されたことがあったようです。
本企画展では、「尾平山」と「木浦山」の様子がわかる史料や採掘された鉱石等により岡藩の二大鉱山を紹介するとともに、城下町(古町)の発掘成果から見えてきた岡藩による貨幣鋳造についても紹介します。