時代劇ドラマ「はぐれ鴉」の撮影がクランクアップ!
2025年02月28日
TOSテレビ大分開局55周年記念の時代劇ドラマ「はぐれ鴉」(7月放送予定)の撮影現場を訪問。
こちらの作品は、同局が初めて制作する時代劇ドラマで、第25回大藪春彦賞受賞作品の『はぐれ鴉』(赤神 諒原作)を、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『大奥』シリーズなどを手がける山下智彦監督によって映像化されます。
【物語】
寛文六年、豊後国・竹田藩で城代一族郎党を含め二十六人殺しという凄惨な事件が起きた。
一人逃げ延びた幼き次郎丸は復讐のため、江戸で剣の腕を磨き山川才次郎(神尾楓珠)と名を変え、叔父である現城代・玉田巧左衛門(椎名桔平)がいる竹田の地を十四年ぶりに踏んだ。
長い時を経て再会した巧左衛門は、兇行を目の当たりにした当時の印象とは違い、みすぼらしい容姿で、高位にありながら地位や名誉に関心がない変わり者“はぐれ鴉”と周囲から噂されていた。
そして、才次郎は竹田小町と評判の巧左衛門の娘・英里(山本千尋)と出会い、予期せず惹かれていく。恋か復讐か、千々に乱れる心を抱きながらも、煮え滾る復讐心を支えに必ずや叔父を討つと心に誓うのだが…。
1月10日~12日の大分ロケに続き、1月20日から京都で撮影を実施。1月28日には、京都での撮影の様子を取材することができました。
主人公の才次郎が、仇敵で叔父である玉田巧左衛門に自らの正体を明かし、なぜ残虐な事件を起こしたのか問い詰めるという緊迫感あるシーン。そして、見どころの場面の一つ。
この日は風が強く土埃が舞う寒さの中、総勢40名のスタッフに囲まれて撮影を終えた、椎名桔平さん、神尾楓珠さん、山本千尋さんがインタビューに応じ、TOSの藤田早織プロデューサーからの質問に答えていただきました。
Q:今日は緊迫のシーンの撮影でした。振り返ってみていかがですか?
初めての時代劇にして主演の神尾楓珠さん(山川才次郎役)は、「仇を取りにくるという…、憎しみだったりとか、緊迫感の中で、ちゃんと表現しようと思っていたので、緊迫感のあるシーンになってたらいいな… と思っています。」と謙虚に答えました。
才次郎の仇役を演じる椎名桔平さん(玉田巧左衛門役)は、
「14年ぶりに才次郎と再会するシーンで、非常に一日の中で色濃い、巧左衛門と才次郎の2人の関係を寒風吹きすさぶ中、うまく表現できたんじゃないかな、と思いますね。」とリラックスした表情で話されました。
アクションにも定評があり、玉田巧左衛門の娘を演じる山本千尋さん(英里役)は、「台本を読ませていただいた時に個人的には、一番このシーンが難しい課題のところだなとは思っていました。山下監督がすごく細かく演出をしてくださる方なので、身を委ねる思いで演じながら…。実は今日、父上(椎名さん)と目を合わせてお芝居するのが初めてだったので、感慨深い1日になりました。」と振り返りました。
娘役の山本さんから父上への想いを聞いて。
藤田「椎名さん、いかがですか?その辺り…」
椎名「ねぇ!親子ですからね(笑) ちらっと僕は気にして見てたりもしてたんですが、こうやって近い距離で目線を合わせるというのは今日初めてで、あぁ…、娘だなって感じです(笑)」と、山本さんと2人で微笑み合いました。
Q:神尾さん、初の時代劇の手ごたえはいかがでしょうか?
神尾「自分では本当にわかんないんですよね…。時代劇として、ちゃんと才次郎の気持ちで精一杯やってはいますけど、これが時代劇として正解かどうかは全然わからないので、監督がOKって言ったならOKだろうっていうふうに気持ちの中で整理つけてやっています。」
Q:才次郎という役を演じる上で大事にしていることを教えていただけますか?
神尾「やはり過去の事件のことは、頭の片隅にないと才次郎という役は成り立たないと思うので、それは忘れないようにしようっていうのと、あとは巧左衛門さんといる時の才次郎、英里殿といる時の才次郎、そこの雰囲気の違いは、ちゃんと大事にしていきたいな、と思ってやっています。」と語りました。
Q:大分ロケの時に大先輩の椎名さんに負けないようにという気持ちで頑張りたいというお話しもありましたが、実際に撮影にしてみていかがですか。
神尾「やっぱりオーラがありますね。佇まいが…、風格というか、面と向かうと深いものを感じますし…。でも、それに吞まれないようにしようっていうのは、常々思ってやらせていただいています。」
藤田「胸を借りるつもりで…ですね。」
神尾「えぇ、でも本当に優しくて、迷ってることがあったらアドバイスしてくださったりとか、所々言ってくださるので、それがすごく僕は本当にありがたくて。大先輩ですけど、良い方とご共演できたなと思っています。」
藤田「椎名さん、どんなアドバイスをなさったのですか?」
椎名「いやいやいや…、飯食いに行こうかって言ってね(笑)」
神尾「ご飯も行かせていただいて。」
椎名「ご飯食べたりもしましたけどね。やはり初の時代劇でかなりね…、しかも主演でハードルが高いというところが見受けられるので。山下監督は京都でも指折りの名監督ですから、そういうご指導のもと、京都の時代劇の専門のスタッフと言っても過言ではない皆さんの中で揉まれている神尾くんの姿が非常に愛おしくて(笑) 芝居として、もうちょっとこうした方がいいなっていうところは…、でもそんなに言ってないね。1つ2つ… ぐらいかなぁ。アクションのところとか。」
神尾「ちょっとパニックになりかけた時に…」
椎名「周りの皆さん、プロの方々が細かく色々教えてくださるので。僕もそうなんですよ。僕も今日、初めて襷をパッと取ってね。そういう襷の取り方なんかも「あ、こうするんだな」みたいな。僕も長くやってますけど、毎回毎回勉強させてもらってるんでね。そういうことでありますから一緒に頑張っていきましょう!」
神尾「はい!」と息もピッタリ。
Q:玉田巧左衛門はなかなか難しい役どころですが、演じる上でいかがですか?
椎名「いや~もう、かなり難しいですよ!赤神先生の書かれた原作を拝読してから、ずっとそれは思ってることですし。やったことないような役でありますしね。だからこそ原作の巧左衛門に近づきたいと思って、毎シーン毎シーン14年間の想いってものを考えながらね、挑むようにしておりますから。魅力的な人物なので気を抜かないように最後まで演じていきたいと思います。」と熱く語られていました。
Q:山本さん(英里)は、どういったところを大事に演じられていますか?
山本「デビュー作を太秦でさせていただきましたが、今作は演じたことがない役柄で所作など、初めてのことがかなり多かったです。ここにいる3名全員がそうだと思いますが、背負ってることが多くて。でも、その中で英里という役は、財前さん(由美役)もいらっしゃいますが、皆さんと一緒にいる数少ない女性だと思っているので、明るくできるところは根っから明るい英里でいつつ、どこか儚さも見えるような女性でありたいなと思いながら、毎シーン、毎シーン臨ませていただいております。」
Q:大分のファン、視聴者の方にメッセージをお願いします。
椎名「大分といえばですね。私、はじめて家族旅行で飛行機に乗せてもらったのが大分で、別府だったんです。映画でも、はじめて映画祭に呼んでいただいたのが湯布院映画祭で、これも大分でしたから本当にご縁を感じています。今回、大分の皆さんにまず先にお届けできるという中で、しっかりといい作品を作ってお届けしたいと思います。よろしくお願いします。」と力強い言葉をいただきました。
山本「神尾さんと一番最初のクランクイン・シーンを大分で撮影させていただきまして、その期間がとても素晴らしい期間だったと、すごく実感しておりまして。大分のシーンが個人的には凄く大切なシーンではあって、そこで見た景色とか、感覚みたいなものが今まさに撮影で思い出されて活きているのを実感しているので。大分の方は、景色を見たら大分ってすぐにわかられるのかな…とは思うんですけれども、そういった撮影背景も見ながらみていただけるといいなと思っています。」と優しい口調で語られました。
神尾「初めての時代劇なので、もしかしたら時代劇をたくさん見ていらっしゃる方には、ちょっと拙いと思われる部分はあると思うんですけど、僕なりに精一杯、竹田市の歴史からできた物語なので、しっかり演じているつもりではありますので、本当に多くの方に見てもらえたらいいな…という気持ちです。ロケで大分に行った時、すごく寒かったので、今度はもうちょっと暖かい時に訪れたいな…と思っていて、その時は温かく迎えてくださったら嬉しいなと思います。よろしくお願いします。」と大分ロケが本当に寒かったことを思い返しながら、最後は山本さんの笑いを誘っていました。
藤田「ありがとうございます。」
椎名、神尾、山本「ありがとうございました。」
椎名さんは最後に「遠いところを…」と我々をねぎらってくださいました。
この日は、平兵衛役の野添義弘さんがクランクアップの日で、撮影の最後に花束を受け取られていました。
寒い中、皆さん撮影お疲れさまでした!
そして、2月12日には、キャストが出演する全シーンの撮影が終了し、無事にクランクアップしました。
7月の放送が本当に楽しみです♪